Flute Labo(フルートラボ)について
“Flute Labo”(フルートラボ)という教室の名前について
私のこれまでのフルート人生のほとんどは、悩んだり行き詰まったりしていました。一つ解決できたと思うとまた次の問題がやってくる…その連続でした。それはまさに、問題解決のために試行錯誤する「研究」のような日々だったことから、フルートの研究所…“Flute Labo(Laboratory)”を教室の名前としました。
今も自分の練習や生徒さんのレッスンで生まれる問題と向き合い、解決へと導くため日々研究しています。
こんな方が来ています


10代から70代までの生徒さんが在籍しており、50代〜60代の方が最も多くなっています。現会員の生徒さんの3割が当教室でフルートを始めた方です。
体験レッスン前の生徒さんのお悩みの例
- 楽器(リッププレート)の当て方を迷っている
- アンブシュアが定まらない
- コンディションが安定しない
- 30分以上吹くと唇が疲れてしまう
- 音程が定まらない、速いパッセージが吹けない
- 自分に必要な基礎練習がわからない
- 練習はしているのに上達しない など
せっかくフルートを吹いているのに、思うように音が出せないのはつらいことですよね。教室でも「音」が上手く出せない、アンブシュアが決まらない・唇が疲れやすい、などのお悩み相談が大変多いです。また日によってコンディションに差がある方、本番になると力を発揮できないという方もいらっしゃいました。また、速いパッセージが苦手といった技術面の向上に関するお悩み相談も増えています。
お悩み解決・上達のために教室でお伝えしていること
フルートの上達のためには、正しい知識と無理のない練習プロセスが欠かせません。レッスンでは、演奏者が感覚していることを「何となくのイメージ」で伝えるのではなく、できるだけ「理論的に、生徒さんに納得していただけるように」説明することを心がけています。
◉アンブシュアは「作る」ものではありません

「アンブシュアが決まらない・安定しない」「アンブシュアに力が入る」「アンブシュアのせいで音が出ないのかも」…といったご相談が大変多いです。かつて私も同じように悩んでいました。
そんな私が辿り着いた答えは「アンブシュアは作らない」です。
フルートを吹いていると、必ずどこかで「調子の悪い日」がやってきます。そんな時に真っ先に疑われるのがアンブシュアですが、アンブシュアが原因で調子が悪くなっている訳ではありません。
他の管楽器とは異なり、フルートにおいてのアンブシュアは「息の出口」でしかありません。空気がある程度の細さで出ていけば良いので、他の管楽器に比べると力が必要なく、かかる負荷も小さいです。きちんと一つ一つの音に合った息で吹いてあげれば、アンブシュアは勝手に出来上がる、というのが基本的な考え方です。
しかしアンブシュアに悩んでいる時は、低い音を出す、高い音を出す、クリアな音色にする、綺麗にタンギングをする…などといったこと全てを、アンブシュアでやろうとしてしまいます。先にアンブシュアを作ってしまうと、息の出口が必要以上に小さくなり過ぎたり、無駄な力が入って唇が緊張してしまうため、気持ちよく音が出せず、思うように吹けなくなってしまいます。
アンブシュアは息を吐いた「結果」であり、何かの「原因」ではありません。「良いアンブシュア」のためにはまず「良い息」が必要なのです。
◉「良い」姿勢ではなく「自然な」姿勢で
楽器の演奏時には「良い」姿勢でなければならないと教わったり、そう思い込んでしまいます。ここでのいわゆる「良い」姿勢というのは、顔を上げ視線を遠くにしたり、背筋をピンと伸ばしたような姿勢です。またフルートは無理な姿勢で吹くものだと思われがちですが、実はそんなことはありません。
フルートをはじめとする管楽器に必要なのは、「良い」姿勢ではなく、その人らしい「自然な」姿勢です。極端な猫背はよくありませんが、そうでなければ無理に背筋を伸ばす必要はありません。何故なら自分にとって自然な姿勢でなければ、管楽器に必要な深い呼吸ができず、体に無駄に力が入ってしまうため指もスムーズに動かせません。
特に「呼吸」は多くの骨や筋肉の連携プレーで成り立っています。これらがスムーズに機能する状態であれば、息をたくさん吸って、上手に使うことができます。しかし、背筋を伸ばし過ぎたり、首が前に出たりして「フルートを吹くぞ!」という身体になってしまうと、呼吸が思うようにできず、「良いアンブシュア」にもなりません。
無理な姿勢で演奏を続けると、疲れやすくなったり、痛みが出たり、頑張っても上達しないという悪循環に陥ってしまいます。自分の思い通りに演奏できるようになるために、自分にとっての「自然な」姿勢を追求することはとても大切なことなのです。
◉「できない」練習をせず、「できた」を積み重ねること
実は私自身もコツコツ練習することが苦手でした。譜読みが得意だったこともあり、ある程度吹けるようになるのは早いものの、「できないところをできるようにする」という当たり前のようなことが、私にとっては難しかったのです。
難しいパッセージを練習する際に「ゆっくり練習しなさい」と言われて、最初はそれを守って練習を始めるものの、気がつくとインテンポ(楽譜の指定テンポ)で吹いてしまっていませんか?本番の日程が決まっていたりすると、なおさらゆっくり吹くだけでは上達しないような気がして、つい速く吹きたくなってしまう…その気持ちはとてもよく分かります。
しかし吹けない部分を速く吹いてしまうと、当然ながらミスをして正しく吹くことはできません。そのまま正しく吹けない練習を積み重ねてしまうとどうなるでしょうか…本番でも正しく吹くことはできません。
なので「ゆっくり」練習することはもちろん大切なのですが、その「精度」が最も大切です。指の連携やタイミング、音色など、あらゆる面での「精度」を最大限高めるために、ゆっくり練習することが必要です。
ゆっくり練習をしているのに正しく・速く吹けるようにならないのは、練習の精度が低い可能性があります。練習の精度を上げるためには、きちんと吹けるテンポに落とすと同時に、長いパッセージなら短く区切って吹いたり、場合によってはアーティキュレーションを変えることも有効です。こうして「ちゃんと吹けた」という経験を積み重ねていくことで、少しずつ目標のテンポへ近づけていきます。
練習で「できない」ことを繰り返すのではなく、小さくても「できた」という経験を積み重ねていくことが上達への近道です。
初心者でも、久しぶりでも大丈夫!5つの特徴
フルートラボの目指すことは、思うようにフルートを操ることができ、どんな曲に出会っても困らないような「基礎技術」を習得していただくことです。ポイントを押さえて質の高い練習を行えば、毎日吹かなくても、短時間の練習でも、ちゃんと上達していきます。そのためのメソッドやテキスト、演奏環境をご提供しています。
【1】あなたに合った姿勢・構え方・楽器のセッティングを見つけます
初心者でも経験者でも、ご入会いただいた最初の時期に必ずチェックするのが「ハード面」です。具体的には楽器をきちんと演奏できる姿勢や楽器のセッティング、楽器の持ち方といったことです。まずここが整っていないと、いくら練習しても上達しない…という負のループが始まってしまいます。姿勢・構え方・セッティングはフルート演奏の土台なのです。
もちろん楽器の状態もチェックします。楽器の調子が悪いと音がきちんと出ないのは当然ですが、その状態で無理やり音を出していると、自分のコンディションを崩したり、楽器にも癖がついてしまいます。必要に応じて調整・修理等をオススメしています。

前述したように、フルートラボでは「自然な」姿勢で演奏することを大切にしています。「フルートを吹くための」姿勢ではなく、すぐに歌い出したり、歩き出したりできてしまうくらいの楽な状態です。フルートの構え方は他の木管楽器とは大きく異なるように思えますが、ポイントを押さえて構えられれば長時間の演奏でも疲れません。
自分に合った楽な姿勢や構え方をフルートを始めた時に身につけることが、スムーズな上達への早道となります。経験者の方で悩みがある方ですと、無理な姿勢で演奏することに慣れてしまっているということもあります。客観的な目線で不自然なところを見つけ出し、自然な演奏姿勢へ導きます。
【2】独自のタンギングメソッドで、響きのある音へ
「トゥ」という発音はやめよう

フルートの多くの教本には「トゥ」というタンギングのシラブルが載っています。しかしフルートラボではこのシラブルは使いません。何故なら、このシラブルで発音すると効率よく音が出せないからです。タンギングのシラブルについて考えることは、アンブシュアを楽にすることへつながります。
フルートを始めとする管楽器は、厳密には同じ吹き方をする音が一つとしてありません。それは管の長さの違いで音の高さを変える、管楽器ならではの特徴と言えます。例えばスライドの伸び縮みで音を変えるトロンボーンがわかりやすいですね。
フルートにおいてはキィの開け閉めで管の長さを調節しています。例えば最も管の長さが短いのは、中音域の♯ドの運指の時。最も長いのは低音域のド(H足部管ならばシ)です。この二つの音を響かせるためには、それぞれの音(管の長さ)に合った息で吹く必要があります。
口の中の広さに着目して、音が響くタンギングを
音に合った息を生み出すのは「アンブシュア」と思われがちですが、アンブシュアで息を使い分けようとすると疲れやすく、思うように響きません。息のスピードや密度をコントロールするのはアンブシュアだけではありません、実は「口の中の広さ」でも様々なコントロールが可能です。
「口の中の広さ」というのは、ここでは上顎から舌までの距離を指します。日本語の母音「あいうえお」を発音してみると、唇も動きますが舌もかなりダイナミックに動いていることがわかります。母音によって舌の位置が変わるのです。口の中が比較的広くなるのは「あ」や「お」、比較的狭くなるのは「い」、その間くらいの広さになるのが「え」です。
吹く時に「口の中の広さ=息の通り道の広さ」を変えることで、息のスピードが変わります。これを楽器の演奏に役立てない手はありません。フルートラボではタンギングの練習を通して、音一つ一つに合った発音を身につけることで、効率よく音を響かせ、難しい音型でも楽々コントロールできるようになっていきます。
【3】オリジナルのテキストで基礎を効率よく習得、いろいろな曲にチャレンジ!

限られた時間の中でも基礎を効率よく身につけられれば、多くの曲に触れることができたり、お気に入りの音を思い通りに演奏できるようになります。例えばある曲を練習した時に、その曲は吹けても、別の曲になるとまたイチから…という状態では、なかなかレパートリーが増えていきません。
フルートラボではオリジナルのテキストをご用意しています。譜読みの負担が少なく、短時間で基礎を習得できるように工夫を凝らしたテキストを、一人一人に合わせて使用します。
先ほどの、口の中の広さに着目したタンギング練習ももちろん掲載していますし、最後はヴィブラートの習得まで。その場限りではない、一生物の基礎技術を身につけましょう。
【4】「できた」を積み重ねる音階練習

音階練習が続かない理由
音階練習が大事なのは分かってはいるけれど、そこまではなかなか…という方も多いと思います。その理由は…
- 毎日やらなければいけないと思うと続かない
- 時間がかかる
- 難しい(自分の習熟度に合っていない)
- 達成感がない
- 上達していかない
- 何のためにやるのか分からない など
私も音階練習を能動的にはできていませんでした。受験のため、レッスンのために仕方なく続けていましたが、それでは効果的な練習にはなっていなかったのです。
音階練習の目的は「速く」吹くことではありません
音階練習は16分音符で書かれていたりして、速く吹けるようにならなければいけないと思ってしまいますが、そうではありません。速く吹かなければ!と思っていると、本当に大切なことを見落としたまま、精度が上がらない練習を続けることになります。
フルートの技術練習には段階があり、まずはひとつひとつの音をきちんと響かせることから始まります。タンギングやロングトーンで、それぞれの音の響かせ方のクセを知っていきます。
次はロングトーンの中で、隣り合った2つの音をきれいにつなげるという段階になります。半音程の関係にある2つの音でも、場合によっては全く異なる息が求められることがあります。より幅の広い全音程や、分散和音になるとなおさらです。音の響かせ方のクセを知っておくことで、それぞれの音をきちんと響かせることができ、音同士をなめらかにつなげられるようになります。
最後の段階である音階練習は、より多くの音を並べていっても、それぞれの音がきちんと響いていること、レガートならきちんと滑らかにつなげられることを目標に行います。そして生き生きと音楽的かどうかも大切です。つまり、音階練習の目的は「美しく音楽的に吹くこと」であり、速く吹くことではないのです。
実際の曲で使われる音の数は一つや二つではなく、数え切れないほどの音を扱わなければなりません。しかし多くの曲はある程度既存の音階や分散和音からできています。音階練習を丁寧に行うことで、曲の仕上がりも良くなり、仕上がるスピードも上がります。
ゆっくり高精度に吹ければ、速く吹けるようにもなります
もちろん、曲中で速いパッセージを吹かなければならないこともありますので、音階を速く吹く練習も必要です。しかし、ゆっくりなテンポで「美しく音楽的に」吹けないのに、速く吹く練習をしても良い結果にはなりません。
そこで先ほどもご紹介した教室オリジナルのテキストを使用します。音階練習のテキストは、誰でも「できた」を経験できるような形でスタートできるように、工夫して作っています。1回の練習で音階練習に取れる時間が5分〜10分でも出来るようになっているので、負担にならず続けやすいです。そしてステップアップ感が感じられる作りにもなっているので、ある種のゲーム的要素もあり、楽しんで練習していただけると思います。
テキストを通して指のコントロールの基礎をしっかり作ることで、速いパッセージが現れても困らず、自信を持って吹けるようになっていきます。

【5】ピアノ伴奏付きレッスンで楽しい音楽体験を

実は私の中学生時代の夢はピアニスト・ピアノの先生でした。それくらいピアノを弾くことが好きでしたが、ある時自分の演奏レベルではピアニストにはなれないと気付き、それからは純粋にピアノを楽しむことにしました。
管楽器専攻でピアノもそれなりに弾けるという人は少ないようで、大学時代はフルート専攻にも関わらず、歌科の同級生の伴奏や、指揮科のレッスンでオーケストラの曲を弾くなど、かなりピアノを弾く機会がありました。もちろんフルート科の友人の伴奏を弾くこともありました。
私は「ピアノ専攻」ではなく、「管楽器専攻でピアノが弾ける人」ということで重宝されたようです。ピアノを専門に勉強している人の方がもちろん難しい曲でも上手にサクサク弾くことができますが、大学生レベルでは人と合わせるという経験がまだ不足しています。しかし管楽器専攻だと部活などを通じて、吹奏楽やオーケストラ・室内楽で人と合わせる経験をたくさん積んできています。伴奏される側の要求や気持ちもよく分かるということは、「アンサンブル力」が求められる管楽器や歌の伴奏において強みだったのです。
その経験があったおかげで、レッスン中にはピアノ伴奏を弾くことが普通になっています。フルート奏者目線でのレッスンはもちろん、伴奏ピアニストとしての目線でもレッスンができるので、みなさんの曲への理解が深まり、リッチなアンサンブルの時間を楽しんでいただいています。
またYouTubeチャンネルには多数伴奏動画をアップしており、生徒さんをはじめ現在2000人近くの方にご利用いただいています。
レッスンをご受講いただいている生徒さんの声
2025年3月に実施したアンケートに寄せられた、生徒さんの生の声をご紹介します。

とても信頼しています。 ご指導の良い点は、フォーム、吹き方、音作り、基礎練、オケの曲、難しいパッセージの練習方法、歌い方について… 練習や不調時の悩みへのアドバイス。 他にもいろいろあります。



感覚ではなくアンブシュアや息の入れ方などイメージしやすいように教えていただき、自分の楽器のクセを教えてもらい、とても勉強になりました。先生がピアノ伴奏してくださる事でレッスンが楽しかったです。無茶振りにも応えてくださりありがたかったです。



丁寧に教えていただき、安心してレッスンできました。



今まで出会ってきた「音楽教室の先生」とはちがい、悩んでいたことを論理的にわかりやすく言葉で説明してくれたところが素敵でした。できるようになるための具体的な練習法(テンポや運指、吹き方など)を、惜しみなく教えてくれます。久しぶりのレッスンで練習できるか不安がありましたが、フルートを吹くことが楽しく、いろいろな曲にチャレンジしてみたくなりました。



先生の人柄が良くて、なんでも聞きやすく、色々なリクエストに対応してもらえて本当に良かった。



新しい曲の度にできないことが出てきて壁にぶつかっていますが、先生の的確なご指導のお陰で少しずつ吹けるようになってきました。先生とのアンサンブルやピアノ伴奏などもあり、贅沢なレッスンだなぁ…と感じています。



毎回予約制なので通いやすいです。 レッスンは先生の伴奏に合わせ曲を演奏するので、1人で寂しいと思わずに演奏することができ、満足しています。 課題はまだたくさんあるので、レッスンを通じて良くしていきたいです。



ちょっとずつできる様になり、嬉しかったです。



こちらが困っていることを改善するための方法を色々考えていただいていると感じます。



まだ不安定ではありますが、少し音が楽に出せるようになって来ていますので嬉しいです。



毎回が学びのあるレッスンで、演奏のことだけでなく、少しずつ楽典や音楽の歴史などが分かってきました。 また、出来ないところはその原因を説明してくれるので、分からないままの状態になることが少なくなり、モチベーションを維持しながら練習に取り組むことができています。



色々な方向から見てくださり、基礎からアドバイスをいただけます。



先生のピアノに合わせてレッスンを受けられるのがとても新鮮で楽しかったのを思い出します。 呼吸が続かない等ありますが、私の力に合わせたご指導をして頂き楽しくレッスンを受けております。