
フルートラボを主宰しています、フルート奏者の吉本奈美(よしもと なみ)です。2015年に神奈川県茅ヶ崎市でフルート教室を開業しました。現在は東京都国分寺市の教室をメインに、さまざまな方のフルートライフをお手伝いしています。
吹こうとしすぎていた学生時代の私
高校時代までは吹奏楽部でバリバリ吹き、そのまま大学でもフルートを専攻しました。
それまでの奏法はかなりアンブシュアを意識したものだったため、だんだん年齢をかさねるとともに柔軟性が失われていくと、演奏に無理を感じるようになりました。どうやっても唇には力が入ってしまい、柔らかくしたくても出来ず、思うように吹けない日々。それでも本番や試験がやってくる。その時はなんとかだましだまし吹けても、吹き終わると音が出なくなるくらいの疲労。一体どうしたら良いのか途方に暮れていました。
そんな時に出会ったのが、あるフランス人の先生のレッスンでした。「リラックスじゃない、ナチュラルに」「こんにちは、と挨拶するように吹くんだよ」と言われて、霧が晴れる気がしました。それまでの自分が「吹こう吹こう!」としていたことに気がついたのです。
職業性(局所性)ジストニアを発症、でも大きな気づきが
そしてもう一つ、私は数年前に職業性ジストニアを発症して、一時期左手の薬指や小指を思うように動かせなくなるという経験をしました(音楽家の職業性/局所性ジストニアは演奏時のみ症状が出るので、日常生活には支障ありません)。原因がはっきり分からないとされていますが、私には何となく自覚がありました。
学生の頃譜読みが速かった私は、新しい楽譜でもほとんどすぐに吹くことができました。しかし細かいところをコツコツ練習するのは苦手で、それはそれはいい加減な練習の仕方をしていました。そうして丁寧に練習してこなかった結果、左手の指への信号にバグのようなものが起きてしまったのだと思います。できなくなったのは特定の指遣いの組み合わせであることも分かってきたので、薬で症状を緩和しながら自己流でリハビリを始めました。
まずはひたすらメトロノームを60くらいで鳴らして、8分音符で音階練習をしました。その速さでしか音階が吹けませんでした。それでも吹けるだけまだ良かったと思います。もっとひどくなっていたらもう演奏は絶望的だったでしょう。1年ほどかけてようやく100で16分音符が吹けるまでに回復し、今はほとんど支障なく演奏できるようになりました。
この経験はつらいものでしたが、ある程度克服できた今では私に必要な試練だったと思っています。ジストニアのおかげで、いかに自然な演奏姿勢や音階練習が大切かということと、難しい箇所の正しい練習の仕方を身をもって学ぶことができたのです。
そうして辿り着いたのは、吹こうとしない、効率の良い吹き方
こうして、フルートの奏法について悩みながらたくさん模索してきました。
- 背筋を伸ばした「良い」姿勢ではない自然な演奏姿勢
- フルートの構造に基づく身体に負担のない構え方や楽器のセッティング
- アンブシュアを作ろうとしないための練習方法
- 効率よくキレイな音を出すタンギング
- 正しい音階練習
- 難しい箇所の安全で効果的な練習方法 などなど
遠回りしてきましたが、私はようやく自分の音や演奏が好きになりました。もちろんもっと突き詰めたいこともあります。まだ吹いたことのない曲にも挑戦したいと思っています。
私自身がたくさん悩んできたので、生徒さんの悩みもとてもよく分かります。
全ての悩みにはちゃんと原因があります。表面的な問題だけに目を向けるだけでは解決に至りません。レッスンでは私自身の経験を元に、ご本人が気が付きにくい根本的な問題やその原因を探し出し、アプローチしてきました。
フルートを始めたものの伸び悩んでいる方も、長く吹いているけれど自分の音色が好きになれない方も、今よりもっと自由なフルートの世界へ足を踏み入れませんか?
現在フルートラボには、初めてフルートを吹く方はもちろん、別の教室で長く習っていてなかなか上達しなかった、自分の奏法に迷いがあった、そんな方が多くいらしています。
せっかくフルートを吹いているのに、吹き方で悩んでしまい音楽を楽しめないのはもったいないことです。ぜひ上達のお手伝いをさせてください。
主な経歴
フルート:吉本 奈美(よしもと なみ)
神奈川県(平塚市・茅ヶ崎市)出身
5歳からピアノ、13歳からフルートを始める
神奈川県立平塚江南高校 卒業
東京学芸大学教育学部G類(芸術スポーツ文化課程)音楽専攻 卒業
東京学芸大学大学院修士課程教育学研究科音楽教育コース 修了
全日本学生音楽コンクール 入選
フルート・デビュー・リサイタルに出演
ソリストとして湘南チェンバーオーケストラ、ユーゲントフィルハーモニカー、学芸フィルハーモニア等と共演
これまでにフルートを内田秀夫、神田寛明、清水和高の各氏に師事
在学中にマクサンス・ラリュー氏の公開マスタークラスを受講
その他海外で行われたマスタークラスにも積極的に参加し、
ジャン・フェランディス、ペーター・フェアホイエン(ピッコロ)、
エディス・ファン・ダイク、エヴァ・アムスラーら各氏のマスタークラスを修了
現在はフルート・ラボ代表・講師、県内外の吹奏楽部やオーケストラ部のトレーナーを務め、
オーケストラ・室内楽などに於いて演奏活動を行う
時々生徒のソロコンテストでの伴奏ピアニスト
東京都部活動指導員
元小学校非常勤音楽教諭
アレンジャーとして、「フルートアンサンブル工房」にてフルートアンサンブル用の
オリジナル編曲作品を多数発表しており、
各地で行われているフルートフェスティバルやアンサンブルコンテストでも演奏されている
YouTubeではフルートの名曲の伴奏動画を多数公開
「練習しやすい」、「合わせやすい」伴奏を丁寧に製作中
チャンネル登録者数も上昇中(1000人を突破!)




使用楽器歴
ムラマツ/EX、パウエル14K×Silver Key、ムラマツ/スタンダード、サクライ/総銀製、ヤマハ/ピッコロ
(そのほか、アルトリコーダーやバロックピッチのトラヴェルソを練習中!)
プライベート
2023年に一児の母になり、都内で家族3人暮らし。