フルートという楽器の難しいところは、身体をまっすぐ使うのが難しい点です。顔を横に向けたり、首を右に傾けたり(傾けない人もいますが)・・・体の軸を見失いやすいと思います。
このブログでは、「アンブシュアがおかしいな」とか「調子が悪いな」という時、おかしいのはアンブシュアでない事が殆どですとお伝えしております。今日のヒントは上半身です。
フルートを吹く時、顔は左に向けます
前述したように、フルートは身体を色々にしながら吹きます。縦笛のように構えられないので、なるべく両手が身体の前に収まるようにしつつ、顔を左に向けて吹くのが基本です。
初心者の方にありがちなのは、顔を正面に向けたまま身体と平行に楽器を構えてしまうやり方です。これでは左の腕をかなり右へ引っ張ることになり、胸部を圧迫し、大変吹きにくくなってしまいます。
不調の原因は身体のねじれかも?
顔を左に向けることにより両手は楽な位置で操作でき、呼吸もしやすくなります。しかし、これによって身体が左にねじれてしまう事がよくあります。
身体が捻れてしまうと、顔や腕の位置関係を正しく認識できなくなってしまい、いつものリッププレートの当て方や首の角度を見失ってしまう事があります。何をどうしても良い時の状態に戻らないのは、身体(特に上半身)がねじれているせいかもしれません。
リッププレートのエッジの先に息の跡が残ると思いますが、私が調子の悪い時はそれが真ん中からズレたりしています。そういう時は身体がねじれていることが多いです。
背もたれに背中を預けて吹いてみよう
普段椅子に座って演奏する際、背もたれにもたれて吹くのが好きな人と、椅子の前の方に座るのが好きな人がいるはずです。
私は後者です(座面が後ろに沈んでいる椅子だととても辛い)。なので普段は背もたれを使いません。ですがある日調子が悪くて、なんとなく深く座り、背もたれを使って姿勢を取りました。そうすると、背中の右の方が背もたれから浮こうとしていることに気がつきました。つまり知らず知らずのうちに、上半身が逆時計回りに少し回転していたようです…。しっかり背中全体を背もたれにつけて構えると、なんだか楽器を支えるあらゆる所が整った感じになりました。
私は本来背中をつけて吹きたいわけではないので、基本的に背もたれは使いません。実際には以下のような手順を踏むと、変に身体をねじらずに構える事が出来ます。
「正しく立つ」に関しては以下の記事が参考になります。
立奏の場合はこの手順を飛ばします。
少しだけうつむく方が首の可動域が広がる人もいます(もちろんうつむかない方が良い人も)。どこかが引き攣ることのないように楽に左を向きましょう。
この時、楽器に近付こうと顔が前に出てしまう人がいますので注意!楽器に自分が近付くのではなく、楽器を自分に近付けましょう。
最近はこの一連の流れをルーティーンにしていて、この手順で構えるとアンブシュアやリッププレートの当て方に迷うことがなくなりました。調子が悪い原因は他にあるかもしれませんが、椅子の背もたれを使うだけなので是非お試しください!
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