【管楽器】演奏中の舌の位置、意識していますか?

 最近教室で流行らせているある動画があります…ホルン奏者がMRIの中で演奏して、演奏中の口の中の様子を撮影したというものです。もう10年ほど前の動画なのですが、大変参考になるので皆さんに見てもらっています。今まで私が一生懸命口頭でお伝えしていたことをそのまま体現してくれているような映像です。

(上手くページ上で再生できない場合は「YouTubeで動画を見る」をクリックしていただくとご覧いただけます)

目次

唇が疲れる人、アンブシュア迷子の人は「舌」を見直しましょう

 教室でもアンブシュアに関するお悩み相談が大半をしめています。

  • 唇が硬くなり曲の最後まで吹ききれない
  • 良い音を出そうとすればするほどアンブシュアが硬くなる
  • 唇(口輪筋)の力を抜きたくても抜けない
  • アンブシュアを見失っている

…などなど、アンブシュアというものに翻弄されている方がとても多いです。

 「アンブシュア」というものを意識しないで吹けるのが理想ですが、なかなかそうはいかないのが現実です。かくいう私も大学時代まではめちゃくちゃ意識していました。

 人間というのは不思議なもので、「唇を締めないようにしよう」とか「唇をリラックスさせよう」などと意識をすると、返って力が入ってしまったりするものです。

 例えば、育児をしていると「テーブルに乗っちゃだめ!」とか「走っちゃダメ!」などとつい言ってしまいますが、この表現だと否定しながらも「テーブルに乗る」や「走る」というワードを言ってしまっているため、子供は親がしてほしくないと思う行動を寧ろイメージしてしまうのだそう。なので伝えるべきは「降りようね」、「歩こうね」となります。咄嗟にはなかなか言えませんが気をつけています。

 フルートのレッスンでも、「唇を緩めましょう」という表現をつい使ってしまいがちですが、「唇」というワードを聞くとやはり意識をしてしまいます。理想は唇の存在を忘れて演奏してほしいので、「唇」という言葉すら言わない方が良い…私はそこで体の違うところに意識を飛ばしてもらえるように伝えています。その一つが今回のテーマである「舌」です。

 普段演奏する時に舌がどうなっているか意識できている方はとても少ないと思います。なんならプロ奏者でも、実際には動かしているにも関わらず無意識かもしれません。しかし唇の柔軟性を失わずに、息も浪費せずに、高音域まで自在に吹きこなすためには、舌の存在を無視することはできません。

 例えばフルートの第3オクターブの高い音を吹く時に、中音域のドの音(フルートにおける下から2番目のド)を吹く時のアンブシュアのままで吹くことはできるでしょうか?Noというお答えが多いかもしれませんが、私はほとんどアンブシュアを変えていません。高い音を出すためにはより速い息が必要なので、よく取る手段としては

  • アンブシュア(アパチュアの広さ)を変えずに息の量を増やす
  • 息の量を変えずにアンブシュアを締める(アパチュアを狭くする)

…もしくは上記の両方、ということが挙げられます。しかしこれらの手段で息のスピードを上げるとなると、かなり音はかさかさになり、強い音しか出ない、という悩みにぶつかります。

 しかし息のスピードを上げる方法はもう一つあります。その鍵が舌の使い方なのです。

舌の動きを感じてみましょう

日本語の母音

 舌の位置を観察するには、「あいうえお」と発音した時に舌がどんなふうに移動するかを感じ取ることから始めてみるとよいです。一番舌が下顎の方へ下がるのはどの母音か、逆に一番口蓋に近づくのはどの母音か。注意していただきたいのは、唇の動きは無視しなければならないという点です。あくまで舌の位置に注目してください。

日本語の母音を発音する時の舌の位置

日本語にない母音も意識

 日本語では5つの母音ですが、現在のフルートの母国であるフランスなどのヨーロッパの言語にはもっと複雑な母音がたくさんあります。私がレッスン中にお示しする母音は[y]や[oe]、[ae]など、普段は使わないような母音ばかりです。しかしこういった微妙な発音をする時の舌の位置がわかると、難しい音を響かせるのがラクになるのです。

http://www.musica-osaragi.jp/R60/index-2.html

口蓋に息を集める感覚を

 舌の動きを演奏中に意識するには慣れが必要です。そして、ひとつとして同じ吹き方をする音は無いのが管楽器…フルートなら3オクターブの中にある半音全ての音において、厳密には全て吹き方が違います。ですが、積極的にコントロールするのはアンブシュアではありません。アンブシュアに至るまでの舌の位置や息の供給量でできる限りコントロールするようにできると、アンブシュアへの悩みが消えていきます。

 またコントロールの仕方にはある程度規則性があるので、日々の練習のなかで口の中の状態に注意を向けながら良い響きになる条件を探すことで、意識しなくても効率の良い吹き方ができるようになっていきます。

 母音に注目しましょうということをお伝えしましたが、特に息のスピードが必要な音を出す時には口蓋に息を集めるような感覚をもつことをおすすめしています。フルートでも高音域を吹こうとした時に、アンブシュアを緊張させて息の出口を閉じすぎてしまって音が出なくなることが多いです。アンブシュアをきつくする代わりに、口の中で息を圧縮してスピードをつけることができれば、アンブシュアが柔らかいままでも高音域を鳴らすことができるようになります。

アンブシュアをゆるめたいなら、他のことを意識しましょう

 各音が最も響く舌の位置を探すのは難しく感じるかもしれませんが、この感覚が掴めるとアンブシュアの力を使わずに難しい音移動が驚くほど簡単にできるようになります。以前タンギングの練習について書いた記事も参考になりますので、ぜひご覧ください。

 アンブシュアをラクにしたいのなら、唇のことは忘れることが解決策です。そのために、息のスピードを効率よくコントロールできる環境を作り出しましょう。

 夫がトロンボーン吹きなのでよく発音の話になるのですが、フルートと金管楽器は発音に関しての感覚に近いものがあるのだなと思うことが良くあります。フルートの方だけでなく、他の楽器の方もぜひ「舌」に着目してみてください。

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