ダブルタンギングの練習で音色も良くなる!

ダブルタンギングの練習で音色も良くなる

 最近バッハのバディネリを練習し始めた大人の生徒さんに、並行してダブルタンギングの練習も始めていただいています。バロック音楽でダブルタンギングを使うことができると演奏が生き生きしますし、速いタンギングにも対応できますので、ぜひ練習してほしい技術の一つです。また、ダブルタンギングが安定してできるようになると、音色も安定しますよ!

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ダブルタンギングの練習で音色も育つ

 学生さんにはダブルタンギングは必須で教えていますが、大人の生徒さんには必要になった時に教えるスタンスでした。しかし、速くできなくでもダブルタンギングの練習をする意義はあるので、最近は殆どの大人の生徒さんが練習しています。

 ダブルタンギングは無駄なく効率よく発音することはもちろん、適切な息の量やスピードをキープすることができないと綺麗になりません。逆に言えば、ダブルタンギングが綺麗になるように練習することは良い音色に直結していくのです。

シングルタンギングに慣れたら、曲で使わざるを得なくなる前にぜひダブルタンギングも練習してみましょう!

ダブルタンギングの練習のコツ

 ダブルタンギングを効率よく練習するために知っておくと良いことがいくつかあります。それらをまとめてみました。

×トゥクトゥク ○テケテケ

 まず、教則本に書いてあるダブルタンギングの方法として、「トゥクトゥク」というシラブルがよく載っています。しかし、そもそもシングルタンギングを「トゥ」と伝えることに私は反対でして・・・なぜなら、我々フルート奏者はそのように発音していないからです。この「ゥ」がフルートの音を邪魔してしまうのです・・・。「トゥ」と書いているのは日本の教本くらいで、ヨーロッパの教本には「テ」「ティ」などのシラブルが多いです。

 ダブルタンギングについても、私は「トゥクトゥク」ではなく「テケテケ」と教えています。もちろん全ての音域を「テケテケ」で網羅できるわけではなく、高音域や低音域など多少使い分けが必要ですが、7〜8割の音は「テケテケ」で対応できます。「トゥクトゥク」で上手くいかなかった方は、ぜひ意識するシラブルを「テケテケ」に変えてみましょう。

シラブルいろいろ

管楽器のタンギングの方法を示すのに「シラブル」は便利なのですが、合わないシラブルをイメージしていると一向に綺麗な発音ができません。音の高さ、強弱などによって「ティ」や「タ」などと使い分けるべきですし、硬いアタックの「テ」、柔らかいアタックの「デ」「レ」など、時と場合によっていろいろなアタックを使います。

「ケ」単体では練習しない方が良さそう

 ダブルタンギングの練習を始めると、なかなか均等なタイミングで発音できなかったり、「テ」と「ケ」の音質に差が出てしまったりと色々と悩みが増えてしまうかもしれません。特に「ケ」の発音は「テ」と比べるとハッキリせず、実際の曲の中でも綺麗に鳴らないことが多々あると思います。

 しかしそんな時、「ケ」だけを練習することはあまりお勧めしません。「ケ」の発音は喉の奥の方を使うため、それだけを練習すると喉に変な力が入ってしまうことがあります。ですので基本的には「テケテケ」のセットで練習していただいています。

「ケ」の音の質を向上するには、後でご紹介する「ケテケテ」の練習がおススメです。

まずはゆっくりから正しいタイミングで吹く

 ダブルタンギングの練習を始めた頃は、「テケッ、テケッ」と詰まった感じになってしまったりしてなかなか均等なタイミングで吹くことができません。しかし誰しも同じですのでご安心ください。必ずメトロノームを50〜60くらいで鳴らし、16分音符で「テケテケテケテケテーーー」と練習しましょう。どんなテキストでも構いません。速すぎると自分のダブルタンギングの歪みに気づけないので、ゆっくり丁寧に練習して、自分で修正していけるようにしましょう。

息を吐き続ける

 意外と忘れがちなのは息の事です。一つずつ短く吹くスタッカートの場合は「1つの音につき1つの息」を吐くイメージですが、ダブルタンギングのように細かいタンギングが続く場合は、「1つの音につき1つの息」ではなく、ダブルタンギングをする間ずっと一定の息を吐き続けなければなりません。息をずっとキープしつつ、「テケテケ」で切るだけという感じです。

テンポが上がっても、息の量やスピードは上げない

 速いパッセージを頑張ろうとすると、息を余計に使ってしまったり、力が入ってしまったりするものです。特に、ダブルタンギングの際には息まで速くなってしまいがちです。必要以上のスピードで吹いてしまうと簡単に許容オーバーになり、一生懸命タンギングをしてもバサバサしてしまいます。空気の音が過剰に聞こえるときは、息を吐きすぎていないか確認しましょう。

吹きすぎてバサバサしてしまう時は

まずはダブルタンギングしたい音をレガート(ロングトーン)で吹いてみましょう。良い音で吹けたら、その息遣いを維持したまま、書かれたアーティキュレーション(ダブルタンギング)で吹いてみましょう。

「ケテケテ」で質を整えよう

 先ほど「ケ」単体で練習すると喉が締まってしまうとお話ししました。しかし「ケ」の音質はできる限り向上させなくてはなりません。そういう時には「テケテケ」と吹くところを逆にして「ケテケテ」で吹いてみましょう。「ケ」から吹き始めるにはしっかり息が出ていないと発音ができません。「ケ」から吹く練習は慣れるまで難しいですが、していくうちに「テ」の質に寄っていきますよ。

始めのうちは気づくと「テケテケ」に戻ってしまったりしますが、脳トレだと思って続けてみてください!

 いかがでしたでしょうか?ダブルタンギングは速いタンギングをするためのもの、というだけではなく、コンディションを整えるものでもありますので、ぜひ練習の中に取り入れてみてください!

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