初心者が中古フルートを買う前に必ずチェックしてほしい【7つ】のこと

 現在新品のフルートの価格がかなり高くなっていて、フルートを始めよう!と思い立って調べてみてビックリ…という方もいらっしゃるのではないでしょうか。そうなると、お得に買えそうな中古のフルートも購入の選択肢として入ってきます。

「続けられるか分からない、でもやってみたい」

…という方へ向けて、中古フルートのユーザーでもある私が、生徒さんにも中古の楽器をオススメしてきた経験をもとに、中古フルートを選ぶ時に気をつけたいことやメリットデメリットなどについて詳しく解説します。

この記事を読むと
  • 中古フルートの本当のメリット・デメリットが分かる
  • 買っていい中古やめた方がいい中古が分かる
  • 先生として実際に見てきた事例
  • 実際に中古フルートを選ぶ時の7つのチェックポイントが分かる
目次

結論:中古フルートはあり!(条件あり)

私は中古を買って良かった!

生徒さんの中古楽器を見繕うこともよくあります

 私自身もここ数年中古の総銀製フルートをメインの楽器として吹いております。ハンドメイドの楽器なので、新品で購入すれば100万円は下らない楽器だと思われますが、半額以下の値段で譲っていただきました。その楽器を吹くのは私で3人目とのこと。そのメーカーさん仲介の下、前のユーザーさんと直接やりとりをして購入しました。

 私としては中古でこの楽器を購入できて、大満足しています。詳しい理由はこの後の章で述べますが、コストの面でも、中古楽器ならではの吹き心地という面でも、大変良いお買い物ができました。

ただし中古楽器ならではの注意点や選定の難しさもあります、詳しくはこの先で!

フルートは古くてもメンテナンスができていれば吹ける

「トロンボーンは消耗品」(旦那談)

 金管楽器はピストンやスライドなど、動かす部分にどうしても摩耗があるそうで、いつまでも長く使えるというものではないのだそう。フルートにもそういう部分は多少あるかもしれませんが、いわゆるビンテージの楽器が高値で出ていることもよくあります。きちんと消耗品が交換されていて、メンテナンスがされていれば、古い楽器でも問題なく使用できるのです。

新品フルートは「30万円出せるか」が目安

 現在新品の価格相場が爆上がりしています。例えば私が所有しているムラマツEXは、2000年代当時18万円ほどでしたが、現在は30万円弱(現行のEX IIIモデル)。この「30万円」というのが2026年現在のひとつのポイントとなります。

 「中学から高校まで」吹く予定の学生さんや、趣味で楽しむ大人の方が、数年以上使う前提で楽器を購入するのであれば、頭部管銀製(頭部管のみ銀でできていて、胴部管以下は銀メッキ)の楽器がオススメです。頭部管銀製のフルートは、国内で作っているか海外で作っているかの境目およそ30万円となります。

 例えばヤマハの頭部管銀製は312と512の2つのモデルがありますが、312が10万円台なのに対し、512は30万円近い価格です。この差は日本で作っているか否かなのです。やはり国内で生産されているモデルは作りが良く、メカニックの作りが後々操作性や音色の面で吹き心地の差となってきます。

 とりあえず始めてみたい!という方の選択肢としてはヤマハの212のような楽器も入ってきますが、長く続けることになると買い替えの必要が出てくる可能性が高いです。

 数年以上使う前提で楽器を購入されるのであれば、途中で買い換える必要のない、国内生産されている頭部管銀製モデルが良いと思います。なので「30万円が予算として組めるかどうか」が、新品を買うか中古を検討するかの境目となります。

 生徒さんの楽器購入の際も、まず頭を悩ませるのが価格のこと。最近では新品をどーんと買う方は少なく、私と生徒さんで協力して中古楽器を探すことが多くなりました。実際どうだったかというと、概ね問題なく使用できていて、購入費用を安く抑えることに成功できています。

先生に相談するのが基本

 新品でも中古でも購入を考える際、教室に通っているのであれば必ず先生に相談しましょう。生徒さんの中で楽器を譲りたい人がいると紹介してもらえたり、先生ならではの情報をお持ちの場合もあります。試奏できれば一番良いので、行きつけの楽器屋さんを紹介してもらえたら安心です。遠隔地にある楽器の場合は、ネット上に書かれている商品情報を精査する必要があるので、見つけた楽器の掲載ページを先生に見てもらうなどしましょう。

中古フルートのメリット

① 価格が抑えられる

 何より価格が抑えられるというのが、始める際には大きなメリットとなります。最初にかかる費用は楽器だけではありません、レッスン料、楽譜の購入費用、譜面台など必要なものも買わなければなりません。初期投資を安く抑えたいという方は多いはず。30万円、といわれるとかなりハードルが上がってしまいますが、10万円台に抑えられたら嬉しいですよね。

② 上位モデルに手が届く場合も

 中古のフルートは大体新品購入時の半額くらいで売られています。例えば60万円くらいする総銀製フルート(頭部管から足部管まで全て銀製)も、中古では30万円台が目安。新品だと頭部管銀製がやっとでも、中古なら総銀も買える可能性がでてくるのです。

 予算20万円くらいであれば、管体銀製(キィなどのメカニック以外は銀製)の楽器も中古であれば手に入るかもしれません。

③吹き込まれているので鳴らしやすい(鳴らしにくい場合もある)

 楽器は育てる要素があります。新品の楽器はまだほとんど吹き込まれていないので、クセこそついていませんがまだ熟(こな)れていません。頭部管銀製くらいの楽器ではあまり気にならないとは思いますが、よく吹き込まれた楽器は新しいものより吹きやすい場合があります。

 ただし、後で述べますが吹きにくいクセがついた楽器も存在しますので、この点に関しては紙一重です。いずれにしても、吹いているうちにだんだん自分の吹く息に楽器が反応してくれるようになっていきます。一から育てたいという場合には新品の方が良いかもしれません。

中古フルートの一般的なデメリット

 中古フルートの購入を検討する上で、知っておくべきなのはデメリットです。きちんと選ばないと、かえってお金がかかるケースもあるので注意が必要です。

① 調整・修理が前提になることが多い

 ネットで探すことが多いと思いますが、「調整済み」「タンポ・フェルト交換済み」などと記載が有っても、その時点で必要なメンテナンスをした、という意味です。つまり後々は経年劣化で交換が必要なパーツは出てきますし、中古の楽器の場合はそういったことが早い段階で出てくる可能性があります。なので、近いうちに購入費用+調整・修理代がかかることは覚悟して購入することが大切です。

 中古の楽器でも、多くの楽器店では3ヶ月〜半年くらい保証期間がついてくることが多いのですが、消耗品の交換は実費がかかります。タンポ交換は1つにつき5,000円前後が相場です。

もちろん新品の楽器でも時々調整が必要です。購入してから1年間は無料で修理してもらえることが多く、その後は修理費用がかかってきます。頻繁な方で半年に1回、平均的には年1回、私は普段からほとんど狂わないので気が向いた時に…という具合で、メンテナンスが必要なのは変わりません。

新品を購入する方が安上がりな場合も

 かなり見かけるのが「動作確認済み」という文言。この記載だけでは、消耗品の交換やバランス調整などが行われているかどうかがわかりません。もし行われていない場合、音がきちんと出ず修理が必要になる場合があります。キィの歪みの修理は数万円オーバーホール(全消耗品の取り換え、分解清掃等)が必要になると10万円くらいの費用がかかる場合があります。

 結果的に新品を買った方が安かった、なんてこともあり得るため、かなり状態をよく見て(チェックして)、高額な修理費用がかかる可能性のある楽器を選ばないようにしたいですね。

② 見た目では判断できない不具合

 その楽器の使用状況・使用年数などによって、タンポなどの消耗品の劣化具合や、メカニック部分の歪みがあるかどうかが変わってきます。これは掲載されている写真からではわかりません。また吹き心地もネットでは分からないため、店頭購入でない場合は手探りとなります。

 中古の楽器には少なからず、前のユーザーの「吹きぐせ」が残っていることがあり、自分の息の調子とかなり違う方が吹いていた楽器だと、最初のうちは吹きにくいということもあります(だんだん楽器が変わってきますが)。

③ 「安物買いの銭失い」になりやすい

 先ほど述べたように、中古はおよそ新品の半額なのですが、それを下回るような激安フルートには要注意。なんとか音が出る、という楽器を吹いても、吹きにくい楽器であることが原因で上達が妨げられてしまいます。

 これは海外製の5万円を下回るような新品フルートにも同じことが言えますが、楽器として使えないものでは正直レッスンになりません…。

「中古・安物で失敗して買い替え」が一番もったいないパターンです。安いものには安い理由があります。新品でも中古でも、相場感はきちんと押さえておく必要があります。

特に初心者が気をつけるべきポイント

「音がうまく出ない=自分のせい」だと思ってしまう

 楽器の状態によって音が上手く出ない、ということは本当によくあります。吹奏楽部の生徒さんが学校の備品を吹いている場合にとても多いのですが、チューニングの♭シが合わない原因が本人の技術なのか、楽器の調整不良の影響なのか、本人には判断が難しいです。ある程度の経験者でも、きちんと調整された状態を知らないと判断できません。

 これは新品でも中古でも同じことが言えますが、楽器の不調で音が出ないのに、自分のせいだと思って無理やり鳴らそうとすると、

  • 必要以上に指に力を入れてキィを押さえるクセがつく
  • 唇を使って絞り出すような吹き方になる

…などの問題が生まれます。これはなかなか厄介で、一度このようなクセがつくとなかなか取れにくいです。

 中古の楽器は前のユーザーの扱いによって状態が左右されるので、表面のお掃除の時に間違った方向でキィ周辺を拭いたりしていると、メカニックに歪み(キィのずれ)が出ていることがあります。歪みの修理まではしていないことがほとんどだと思いますが、ご本人が気がつくのは難しいでしょう。

 「なんだか低音が鳴りにくいけど、私のせいかな…」で片付けてしまうのは危険です。調整の状態に差が出やすい中古楽器の場合は、とくに消耗品やメンテナンス状態に気を配る必要があります。これは購入前だけでなく、購入後もです。

「吹きぐせ」がついていると鳴らしにくいことも

 すでに述べているように、楽器には「吹きぐせ」がつきます。このくせには「良いくせ」と「悪いくせ」があります。

 私は時々、生徒さんが調子が悪くてにっちもさっちも行かなくなっている時、少しだけ楽器をお借りしてしっかり吹き込みます。すると鳴りにくい「引っ掛かり」みたいなものがあるのが分かります。そこを取り払うように吹き込み続けて、取れたところで生徒さんにお返しします。その楽器を生徒さんに吹いてもらうと、あら不思議、音がスムーズに出るようになることがあります。

 これは何が起きていたのかというと、息の状態が悪いまま吹き続けたことで、「鳴らない楽器」になってしまっていたのです。こうなってしまうと、なかなか自分で突破するのが難しくなります。

 中古の楽器の場合、前のユーザーがどんな息で吹いていたのかは分かりませんが、仮に「鳴らない楽器」になってしまっている場合、初心者の方が自分の息で「鳴る楽器」にしていくのはかなり難しいと思います。

私の過去の経験談を少しお話しすると…とある古い中古フルートを購入しました(今のメイン機とは別のもの)。店頭で吹き始めた際にはあまり響かなかったので「こんなものかな…」と思いつつ、その後30分吹き続けていると「おや、鳴ってきたな」という感覚が。なので第一印象では分からない、というのが中古の難しさであり面白さだったりもします。

中古のフルートを買う時の【7つ】のチェックポイント

 予算的にどうしても新品は難しい…という方のために、私が初心者の生徒さんのために中古楽器を選ぶ際に気を付けている点を挙げておきます。

❶特に初心者は「楽器店」が売っているものを

 「中古 フルート 頭部管銀製」などとネットで検索すると、いろいろな情報が出てきます。主に個人が出品している「メルカリ」や「ヤフオク」は、初心者が購入するにはハードルが高すぎますので、基本的には楽器店のページを探して行くようにしましょう。

 ベストな買い方は、管楽器店の店頭にある中古のフルートを、信頼できる人(先生)手伝ってもらって試奏して選ぶこと。消耗品の交換状況、ジョイントの固さ、キィの状態などを確認し、吹きぐせがついているかどうかを実際に音を出して確認することができます。

 しかし遠くの店舗にあり試奏が難しいケースも多々あります。書かれている情報をよく見て、後述するポイントについて特によく確認をしましょう。できれば大手楽器店(イシバシ楽器、島村楽器、クロサワ楽器など)が安心です。

❷消耗品の交換・調整がされているかどうか

  • OH(オーバーホール)済み
  • 消耗品交換、バランス調整済み

…などの記載があるかどうかを確認しましょう。

「動作確認済み」だけではNGです!

❸スペックが自分にあっているか

 具体的にはキィの配列カバードキィリングキィか、Eメカニズムが搭載されているかどうか、足部管の種類、頭部管銀製なのか管体銀製なのかなど、楽器のスペックがご自分にあっているかどうかは細かくチェックしましょう。詳しくは下記の記事に記載しています。

 初心者の方では一般的に、オフセット・カバードキィ・C足部管・Eメカニズム付きの楽器がオススメされます。長く使う前提なのであれば、これにこだわる必要はありませんが、身近に先生がいれば必ず相談しましょう。

❹価格と状態が見合っているかどうか

 相場より安い場合、傷や凹みがあるなど、何かしらの理由があります。「ジョイント部に歪みがありますが、通常使用において問題なし」などといった表記がある場合も。ジョイント部に歪みがあるのは個人的におすすめできません…ジョイント部はちょうどいい密着度でないと、効率よく演奏できない可能性がありますので、安くてもこういった楽器は避けるべきです。あとで直そうとすると費用がかかるためです。

安い中古品はかなり前のモデルである可能性もあります。もちろん古くても消耗品が全て新しくなっていれば良いのですが、その価格と状態についてきちんと納得して購入しなければなりません。

❺保証期間がついているかどうか

 楽器店で購入する場合は中古の楽器にも保証期間がついてくることが殆どですが、明記されているかどうかよく確認しましょう。新品とは期間や条件が異なり、期間内の調整は無料でも交換部品がある場合は実費を請求されるのが基本です。

❻有名メーカーの定番モデルかどうか

 よく知らないメーカーのモデルではなく、普段もその辺で購入ができる定番モデルを選ぶのが無難です。修理をお願いすることになったときに、古すぎるものや謎の海外メーカーの楽器だと、部品が無くて直せないということがあります。

 基本的に国内メーカーの定番モデルであれば安心です。具体的には、初心者であればムラマツEXアルタスのA907(新:A9)サンキョウのエチュードなど、頭部管銀製モデルがオススメです。価格帯は15万円以上、20万円以下くらいが相場です。

❼購入後すぐ点検に出せる環境があるか

 楽器店で購入していればこの点は心配ありませんが、ときどき管楽器を扱っていない楽器店が出品していることもあります。アフターサービスについても十分調べて、必要であれば問い合わせて確認しましょう。

こんな中古フルートは「やめた方がいい」

  • メーカー、年代が不明、もしくは古すぎるもの
  • 極端に安い(数万円以下)
  • 調整履歴・保証がない
  • 「動作確認済み(音は出ます)」とだけ記載されているもの

 なかなかこのような楽器を買うチャレンジャーはいらっしゃらないと思いますが、特に価格が安すぎるもの、「動作確認済みの記載には注意が必要です。また、モデル名を検索するとおおよそどのくらいの時期に製造されていたものなのかが分かります。

 逆にかなり古いモデルが、昨今の新品価格上昇に便乗して、その当時の価格くらいで高く売られているケースもあります。古いものは消耗品の劣化が進んでいる可能性もあるためご注意ください。

 過去に生徒さんが購入した楽器で、それほど古い楽器ではないものの、買って1年しないうちにタンポが数箇所破れてしまったものがありました。タンポ破れは1つ直すのに5,000円前後かかるのが普通なので、仮に5箇所破れると25,000円…。これは保証内に収まらない修理のため、修理代や交換品の実費がかかることが多いです。こればかりは買ってみないと分からないので、そういうこともあるというのを念頭に置いておきましょう。

まとめ:情報をよく調べて、納得して購入しましょう

こんな人は中古購入も検討しましょう

  • 数年以上吹くつもりだが、30万円は出せない
  • 先生など、購入時に相談(試奏)ができる人が身近にいる
  • 「とにかく安く」ではなく、楽器は適正価格で買うものであり、その後の調整・修理代がかかることを理解している人

こんな人は新品購入の方が良いかも

  • すでに使用感のある楽器は嫌という人
  • 独学で始めるつもりで、相談できる人が身近にいない
  • 長く続くか分からない

👉今後の買い替えも視野に入れつつ、10万円弱でヤマハなどの新品を購入するのが無難

先生としての本音|中古フルートは「アリ」?「ナシ」?

 最初に述べたように私自身も中古楽器を愛用しており、きちんと選べれば「アリ」です。初期費用を抑えられ、メンテナンスがきちんとされていれば即戦力として使用可能です。ただし消耗品の耐用年数をすでに超えてきているものもありますので、その後メンテナンスの費用がかかることは覚悟の上で、購入すべきです(私も最近オーバーホールをしました)。

 中古品は特に、安さにこだわると後々高くつくことも多々あります。急がず焦らず、ケチらずに探すことが鉄則です。良い楽器を選ぶことは、上達する上で絶対条件です。新品でも中古でも、自分に合っていて、きちんと調整されている良い状態の楽器を吹くことで、迷わず練習していくことができますよ。

楽器購入についても体験レッスンでご相談に乗っています、迷われている方はお気軽にご相談ください!

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